2008/03/21

[読書]おもてなしの経営学 - 中島聡著

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エンジニアも経営者も「おもてなし」が大事。

エンジニアであり経営者でもあるこの著者のブログをよく読んでいて、大いに参考にさせていただいているので、さっそく読んでみた。


おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由
中島聡著

前半は、著者のブログ「Life is beautiful」のエントリを引用しながら、著者が広めたとも言える言葉「おもてなし=user experience」を、アップルの躍進を事例に説明されている。
後半は、ニコ動の西村氏、元マイクロソフトの古川氏、Web進化論の梅田氏との、対談3本立て。

規模から経歴から考え方までまったく足元にも及ばないが、エンジニアであり経営者という共通項があるだけで、著者のブログ同様、本書もただただ参考になるばかり。文字ばかりで少々苦手なはずの新書なのに、250ページ超を一気読みしてしまった。
著者のように、

「ビジネスのことがわかる技術者」「ITのことがわかる経営者」 (p.77)
でありたいし、
「天を見て」仕事をするタイプ (p.191)
でありたい。
大いに勇気づけられた。

最後に、個人的に興味深かった内容を2つ。

最近、米国のインターネット業界で話題になるのが「ウェブ2.0はビジネスになるのか?」というテーマ。 (p.96)
日本は、歪んでいるし、混沌としているなぁ、という印象。

少し前に、私のブログの「ソフトウェアの仕様書は料理のレシピに似ている」というエントリで、建築業界のような下請け・孫請け構造のIT業界を批判し、物議をかもしたことがある。 (p.79)
アジャイルな開発手法とクラフトマンシップ (p.110)
Web制作の現場でも同様の問題が起こっている。
エンジニアもWebクリエーターも、単に目の前の開発・制作に集中すればよいという時代は、いずれは終焉を迎えそうである。